自転車の交通ルールを子どもに教えるときに押さえるべきポイントとは?

 

子どもが自転車に乗れるようになったときに、まず教えなければならないのが交通ルールです。たとえ家のすぐ近くだとしても、子どもが交通ルールを知らないまま自転車に乗ることは、大変危険なことです。自転車事故で我が子の命を危険にさらすだけでなく、ほかの誰かにケガをさせてしまう加害者にもなり得ます。ここでは、自転車の交通ルールを子どもに教えるときに、押さえるべきポイントについて解説していきます。

 

1.交通ルール違反による自転車事故の実状について

警察庁の統計データによると、2021年の自転車関連の事故件数は69,694件で、前年よりも2,021件増加をしています。2012年には132,051件でしたので、ここ10年のスパンで見ると、全体としては減少傾向にあるでしょう。しかし、全交通事故に占める割合で見ると、ここ数年20%を超えて推移しています。

また、自転車と自動車の事故のうち、出会いがしら衝突による事故が55%ともっとも多いでしょう。これらの中には、自転車側の安全不確認や一時不停止などの違反が多く見受けられると、警察庁のサイトでも記載されています。

このように、自転車の交通ルール違反が原因の事故も、とても多い実状がわかるでしょう。とくに小学生から高校生の自転車関連の重大事故では、約80%が安全不確認や一時不停止などの法令違反が原因とされています。子どもに交通ルールを早く教える重要性が理解いただけたことでしょう。

 

2.子どもの自転車事故が多い理由とは?

2021年中の自転車乗車中の死傷者約68,000人のうち、13歳未満の子どもは4,905人で、全体の7.2%と決して少なくない数字になっています。子どもの自転車事故が多い理由としては、主に以下の4つの要因が考えられます。

 

2-1.視野が狭く注意散漫になりやすい

とくに幼い子どもは大人よりも視野が狭く、何かに注意が向いたときに周りが目に入らなくなってしまう傾向があります。また、注意力も散漫になりやすいため、安全確認を忘れてしまったり、危険を察知できなかったりすることもありがちです。

 

2-2.道路標識の意味や交通ルールへの理解不足

道路標識の意味や自転車で走ってよい道がわかっていないなどの、交通ルールの理解不足も、子どもの自転車事故が多い要因のひとつです。飛び出しや信号無視による事故は、小学生低学年ほど多いというデータもあります。

 

2-3.自転車の運転技術が未熟

自転車に乗れるようになったばかりの子どもであれば当然のこと、小学生くらいであっても、自転車の運転技術が未熟な状態です。転んでしまったり、ブレーキをかけそこなったりなど、運転ミスによる事故の危険と隣り合わせの状況といえます。とくに幼い子どもの場合は、必ず大人がすぐそばで安全を確保する必要があります。

 

2-4.危険察知能力やとっさの状況判断力が身についていない

子どもが自転車の運転が上達するスピードはとても速いものですが、だからといって、危険察知能力や状況判断力まですぐに身につくわけではありません。自転車のスピードに、とっさの判断力が付いていけない危険な状況も十分にあり得ます。

 

3.最初に子どもに教えるべき自転車の交通ルール

上述のとおり、そもそも子どもは視野が大人よりも狭かったり、注意力も散漫になりやすかったりする中で、たくさんの交通ルールをいっぺんに教えようとしても理解しきれない場合もあるでしょう。ここでは、自転車に乗れるようになった子どもに、安全のために最初に教えたほうがいい交通ルールを3つに絞って紹介します。

 

3-1.信号や「止まれ」の標識を守る

まず安全のために最重要なのが、信号や「止まれ」の標識を守ることです。このルールをしっかり守れるようになるだけでも、格段に自転車事故の危険性が小さくなるといえます。普段から信号が赤のときは止まることや、「止まれ」の標識の意味を教え、習慣的に子どもが守れるように教えましょう。

 

3-2. 自転車は左側通行

車道の右側を走ると、対向してくる自動車や自転車との出会いがしらの衝突の危険性が高まります。また、自動車側が自転車を察知して急ブレーキをかける際にも、向かってくる自転車に対してブレーキが間に合わない危険性が高まります。車道の右側を自転車で走行することは非常に危険な行為ですので、絶対にしないように教えましょう。

 

3-3. 周りをよく見る

子どもは小さいため、路上では死角に入りやすく、自動車からの認知が遅れがちとなります。周りをよく見て、車に近づかないようにすることや、交差点では安全を確かめることなどをしっかり教えましょう。

 

4.自転車交通ルール「自転車安全利用五則」について

自転車は、道路交通法においては「軽車両」として位置付けられています。つまり「車のなかま」であると法律で定められており、道路を走行するときには、「車」として交通ルールを遵守することが求められるのです。

警察庁では、自転車に乗るときに守るべき交通ルールのうち、とくに重要なものを「自転車安全利用五則」としてまとめています。自転車事故から我が子の命を守り、周りの方を危険にさらさないためにも、まずは自らルールを守れているか再確認し、子どもにも丁寧に教えるよう心がけましょう。

 

<自転車安全利用五則>

・自転車は、車道が原則、歩道は例外

・車道は左側を通行

・歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行

・安全ルールを守る

  ・ふたりのりの禁止

  ・並進(自転車で横に並んで進むこと)の禁止

  ・夜間のライト点灯

  ・交差点での一時停止、安全確認

  ・信号を守る

  ・飲酒運転の禁止

・子どもはヘルメットを着用

 

 

まとめ

子どもが自転車に乗れるようになったら、安全のためにも、まずは交通ルールを教えましょう。中でも、最初に教えたほうがよいルールについて、3つに絞って紹介をしましたので、ご参考になれば幸いです。また、「自転車安全利用五則」などの体系的にまとまった情報を活用しながら、ひとつひとつ丁寧にルールを教えていくのもよいでしょう。自転車は、安全ルールを持って楽しく乗るよう、ぜひ教えてあげたいものです。

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